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2006.11.21

シャクルトン 南極からの脱出|大西祥平(健康マネジメント研究科委員長)

1914年、第一次世界大戦が勃発した事態の中、南極点到達の偉業をスコットに譲ってしまった後の南極冒険として南極大陸横断を企てたアーネスト・シャクルトン卿の冒険映画である。アーネスト・シャクルトンは南極探検隊を編成し、エンデュアランス号の船にてブエノスアイレスを出向したが、氷河の中に閉じ込められてしまう。閉じ込められた船は氷河により圧迫、沈没。隊長、乗組員は船外生活を余儀なくされ、大陸横断計画は断念する。そして救援を求めた脱出行動は苦難の極みとなる。生命維持に本当に必要なもののみしか携帯は許されない。家族であった愛猫を自ら殺すことによる別れ、報道写真家として命であった写真ネガを身を切る様な思いでの少数選択などなど。海岸線を求めて重い小ボードを運ぶ行軍の後、荒海へ乗り出す。やっとの思いである島に到着したが、隊員の一部は消耗が激しくサポートできる者と共に留め置き、体力の残っている6人が捕鯨基地のある島へ荒海にもまれながら再び出航する。そして捕鯨基地のある島に漂着する。しかし捕鯨基地の反対側に漂着したため、山脈を越えなければ捕鯨基地に到達できず、さらに動けるもの3人を選択し、そして道無き道を歩き、ついに救助を得る。

それぞれに残した隊員全て無事であった。脱出時に隊員の中には希望を失いかけ自暴自棄になる者もいた。しかし、隊長であるアーネスト・シャクルトンは「私の使命は皆全員無事にイギリスにつれて帰ることである」と声を振り絞るように話し、隊員の結束を取り戻す。数々の困難な局面での隊長としての判断は極めて効果的であった。何をしたか。まず隊員が集中できる目標を設定したことである。氷原の中で生活し、解氷し始めたらボートによって脱出するといった意味のある目標を設定して、隊員達を引っ張ったことである。つぎに全員にやりがいのある仕事をさせたことである。気象の記録、犬ぞりレースや氷上サッカーを定期的にさせた。また芝居を公演させるなど個人それぞれの仕事、運動や娯楽による隊員たちの不満や不安を解消させた。そして隊長と隊員は平等に生活したことであった。皆全員分け隔てなく全員が平等であった。

この映画からリーダーシップのあり方が学ばれるのである。繰り返しになるが、目標設定、やりがいを持たせる、平等性といった3点が如何に大切であるかである。リーダシップ論として多くの議論がなされている中、是非本映画を見て頂き参考にされること望みます。

(掲載日:2006/11/21)

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