山辺真幸さん(政策・メディア研究科博士3年)の作品「8Kデータビジュアライゼーション [新型コロナウイルスの進化地図]」が、2022年度グッドデザイン賞を受賞しました。
また、2022年度グッドデザイン・ニューホープ賞では、関口大樹さん(政策・メディア研究科修士修了・応募時在籍)の「アーキテクチャ型遊び場環境の構築プロセスに関する研究」と、前田陽汰さん(総合政策学部3年)・中澤希公さん(環境情報学部3年)・佐々木雅斗さん(環境情報学部2年) 3名の「葬想式」の2作品がそれぞれ「優秀賞」を受賞しました。
グッドデザイン賞は、1957年に創設されたグッドデザイン商品選定制度を発端とする、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動です。これまで55年以上にわたって、デザインを通じて日本の産業や生活文化を向上させる運動として展開され、のべ受賞件数は39,000件以上にのぼります。今日では国内外の多くの企業や団体などが参加する世界的なデザイン賞です。グッドデザイン賞受賞のシンボルである「Gマーク」は、すぐれたデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれています。
グッドデザイン・ニューホープ賞は、公益財団法人日本デザイン振興会主催で、クリエイターを目指す専⾨学校・⼤学・⼤学院の学⽣、及び卒業・修了後間もないクリエイターを対象として2022年度に新設された賞です。
【グッドデザイン賞】
8Kデータビジュアライゼーション [新型コロナウイルスの進化地図]
山辺真幸さん(政メ博3)のコメント
今回の受賞作は、本年度第33期可視化情報学会賞(技術賞)に選定していただいた「新型コロナウイルスゲノム系統樹3次元可視化」をNHKの超高精細な8K映像技術で再現し、報道番組での解説用CGアニメーションやインタラクティブな科学展示用にデザインしたものです。人類史上稀に見る甚大な影響を及ぼしたCOVID-19をめぐっては、要約されたデータの可視化ではなく、グローバルな全体像も日常目線でのローカルな現象も同時に見ることが重要と考えました。複雑で巨大なデータを社会に向けて可視化するにあたっては、科学者の視点、取材者の視点、メディアデザイナーの視点、技術者の視点を織り交ぜることが不可欠で、NHKのみなさまをはじめチームの創意工夫のもと、全体と細部を同時に映し出す8Kならではの強みを活かした表現に結びつきました。「こうした斬新な視覚化は、人類に新たな俯瞰的視点をもたらすだけでなく、未知なる問題への気づきにつながる」という評価を頂けたことも大変嬉しく思います。引き続き科学と社会をつなぐ情報可視化の研究に取り組んでまいります。(CGクレジット:©NHK)
2022年度グッドデザイン賞「8Kデータビジュアライゼーション [新型コロナウイルスの進化地図]」
【グッドデザイン・ニューホープ賞 優秀賞】
「葬想式」
前田陽汰さん(総合政策学部3年)
中澤希公さん(環境情報学部3年)
佐々木雅斗さん(環境情報学部2年)
受賞者のコメント
コロナ禍に似たようなサービスが多く立ち上がりましたが、その多くが今は撤退しています。(懸命な判断だと思います...)
私達は熱意と信念だけ続けてきたのでやめる理由がなく、今日まで続いています。そしてこのような形で陽に当てていただけるのは励みになります。引き続き頑張ります、ありがとうございました。(前田陽汰さん)
この度はこのような素晴らしい賞を受賞でき、大変光栄に感じております。Illustratorなどのソフトの使い方がわからない状態でのスタートでした。学生時代に同じ志をもったメンバーとがむしゃらにサービスを作り上げてきたエネルギーは一生の武器になると思います。誰にでも訪れる大切な人との死別の向き合い方を今後も提案できるように頑張ります!応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。(中澤希公さん)
大学2年の時に休学してる時に作りはじめたサービスが少しずつ広がり、このような賞をいただけたことを嬉しく思います。
面白い仲間を見つけ、時間を気にせず没頭してなにかをすすめるということは、学生時代の特権だとおもいます。「あのサービスはSFCの学生が作ったらしいよ」とみんなに言ってもらえるようにこれからも頑張ります! (佐々木雅斗さん)
「アーキテクチャ型遊び場環境の構築プロセスに関する研究」
関口大樹さん(政策・メディア研究科修士修了)
受賞者のコメント
学部時代から行ってきた活動を、このようなかたちで評価頂けたことを大変嬉しく思います。最近でも、公園の遊具で子どもが怪我したことにより、その遊具の撤去が決定したニュースがありました。今後も遊び場環境を取り巻く規制(規範)が強まることが予想されます。従来のように、建築家やデザイナーが、遊び場環境の「かたち」そのものをデザインするだけでは、現状の規制強化の傾向に歯止めをかけることは難しいのではないでしょうか。遊び場としての多様性を持ちながら、かつ、持続可能な遊び場環境の構築を考える上では、遊び場をつくり、運営するまでを見通した「仕組みのデザイン」が重要になると考えます。そういった意味で、今回の受賞(仕組みのデザイン部門)においても、そういった仕組みのデザインの意味や重要性が、社会に伝わりつつあることが実感でき、大変心強く思うと同時に大変嬉しく思います。引き続き活動を続けていきたいと思います。
発信元:湘南藤沢事務室 総務担当