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2022.12.26

辻󠄀本惠環境情報学部専任講師らの南極生物多様性の保全に関する研究成果がPLOS Biologyに掲載

辻󠄀本惠環境情報学部専任講師らの南極生物多様性の保全に関する研究成果がPLOS Biologyに掲載されました。
PLOS Biologyは国際的な生物学全般に関する査読付学術誌です。辻󠄀本専任講師らは"Threat management priorities for conserving Antarctic biodiversity"と題した論文において、「現在の南極における保全の取り組みでは2100年までの生物多様性の減少は避けられないが、10の管理戦略を取り入れることで、84%の植物や動物の保全に繋がること」を明らかにしました。
この研究では12か国から29名の南極生物学者らが参加しました(日本からは辻󠄀本専任講師のみ)。それぞれが専門とする南極生物を保全するための管理戦略について、そのコストや実現性、戦略を取り入れた際に生物種にどのような恩恵があるかを、IPCCの気候変動モデルのもとで現在から2100年までの時間スケールで評価した成果になります。

辻󠄀本惠専任講師のコメント

11924921026_r.jpg南極生物研究では、環境が大きく異なる海洋と陸上では分けて議論されることが多かったなかで、この研究では南極域の多様な生物の専門家が一堂に会し、気候変動下での保全や管理体制について皆で評価、議論することができたのが非常に有益でした。一方で、南極ではペンギンや哺乳類などのアイコニックな生物については生態や保全に関する研究が進んでいますが、辻󠄀本が専門とする微小動物については評価の基準となる基礎生態データさえも未だ限られており、未来を予測すること自体が非常に難しい現実を目の当たりにしました。地道な基礎データの蓄積の重要性を実感したところで、これからも一見地味ではあるが重要な基礎生態研究に、前向きに取り組んでいきたいと考えています。

英文プレスリリース(EurekAlert!)

論文(PLOS Biology)

辻󠄀本惠環境情報学部専任講師 教員プロフィール

発信元:湘南藤沢事務室 総務担当